1000円カットの危機
街でよく見かける1000円でカットできるQB ハウス。
一時はどこにでもできていたような気がするけど、デフレのこの時代にあまり新規出店が見られないような気がしていた。
と思ったら、新規出店に規制がかかっていたのだ。
QB ハウスができたのは意外にも最近のことで、第1号店は1996年11月の開店だ。
今では店舗数が395店(前年比+4%)、来店客数が年間1200万人(+6%)で、成長は鈍化しているもののまだ堅実に伸びている。海外ではシンガポールと香港に進出していて、44店舗がオープンしている。
さてこの業態のどこに規制がかかっているのか?
それは理容師法・美容師法で、店舗に温水を供給できる洗髪設備の設置を義務付ける動きがあり、すでに21の県で施行されているのだ。
これは既存設備には適用にならないので、今後は洗髪設備のないQBハウスのような業態は新規店舗を開店できない、というわけ。
なぜこのような動きがあるかというと、理容師75000人からなる「全国理容生活衛生同業組合連合会」(全理連)が、洗髪をしないせいでその後立ち寄った飲食店で髪の毛が落ちるといった苦情があった、という理由で法改正を訴えているということだ。
ではいったい何件そのような苦情があったのかはどこにも述べられていない。
群馬県で法改正の是非を議論しているときに消費者のアンケートが取られ、不衛生かという問いに対し「特に問題ない」+「快適ではないが不衛生とは思えない」をたすと60%以上にのぼったとのことだが、決議には反映されず結局群馬県でも規制が改定された。
洗髪をしないでバキュームで吸い取るQBハウスと、場末のさえない床屋のどちらが衛生的なのか、きちんと議論されたのだろうか?くしやはさみの衛生状態の方がポイントではないだろうか?
美容室は組合に入っていない店も多いみたいだけど、理容室はいまだにみんな同じ定休日だし、組合の力は強いんだろうか?
組合に入っていないと理容用品の代理店から仕入れられないとか、噂にはあるようだけどいまどきそんなことがあるんだろうか・・・。
ちなみに全国で美容室の件数は22万軒、理容室は14万軒ある。
自分は今は美容室派。いつのころからかなあ。
男性はアンケートによると20代と30代では美容室派と床屋派の比率に大きな差がある。
20代は美容室が主流。となると今後理容室の経営はますます厳しくなるだろう。
それに対抗し、美容室のようなカットを提案する動きもあるようだけど、自分たちの既得権益を新規アイデアの参入阻止で守ろうとするのは、タクシーとかよくあるケースかな。
理容師と美容師で法律を分けて、同じようなことをしているのに(違うのは顔そりくらい)、今だに別物にしているのは、保育園と幼稚園の構図に似ているような気がする。
若い男性向けに、おしゃれな理容室をチェーン展開すれば、結構なニーズはあると思うんだけどなあ。
この話を昨日自分の行っている美容室の店長にしたら、男性にはそこまでのニーズはなくて、チェーン展開をしようとしてもスポンサーは付かないと思う、と言われてしなったけど。
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