iPhone
さて何だか突然盛り上がってすーっと冷めた感じのiPhone発売でありました。
結局自分の場合は、一応6月14日に入れた「仮予約」がいまだに生きていて、「入荷次第連絡する」という状態が続いている。別に1日を争って欲しいものでもないのでいいんだけど・・・。
ネット上でも、次第に「ここが不満」というコメントも出揃ってきたかな。これが結構面白い。
インターネットがしょっちゅう落ちる、とか電波が弱くて自宅でつながらない、というような初期不良みたいなものはおいておくとして、結構多いのが
・ 絵文字が使えない
・ メールが使いにくい(コピペができない、など)
・ 着信音が選択できない
・ 携帯サイトにアクセスできない
といった点だ。そういうところに価値を感じる人がiPhone買っちゃだめだろう、と思うんだけどなあ。
今回の発売で考えさせられたのは、iPhoneとは「アップルのiPod に通話機能がついた」のか、「ソフトバンクの携帯電話にiPod機能がついた」のか、どっちを強調して売るのか、というマーケティング上も問題だ。製品としては明らかに前者だろう。通話機能は本当におまけで、あくまでこれはiPod touchの改良版だ。
しかし日本では後者のようなイメージを与えている。iPhoneといえば孫さんが思い浮かぶし。しかしこれを携帯として売り出すと、日本の携帯でおなじみの機能が欠けていることばかり目につくのではないだろうか。上に書いた批判は全て「携帯電話のヘビーユーザー」の視点であることからもわかるんじゃないかな。
iPhoneは音声通話はあくまでおまけで、音楽を聴けるというのもおまけで、やはり「通信端末」なのだと思う。単に「クール」なイメージだけでは、本当の凄みは伝わらないのではないだろうか。
「iPod touchが少し大きくなって、細かい機能はプラスされて、電話もできて、メールは使いにくいけどまあ使うことはできる。毎月の固定費は7000円以上かかるが、これから便利な使い方がどんどん生まれてくる、ちょっとクールなプラットフォームといったところですが、何か?」という感じかな。
「ポジショニング」というのはイメージづけるのは大変だし、一度ついてしまったものは変えるのは難しい。iPhoneはアップルストアで売るべきだったのではないかと思う。
発売後、いろいろな人が、iPhoneをばらばらに分解して部品のコストを洗い出し、原価の計算をしている。8GBのiPhoneの推定原価は174ドル。だいたい原価率は55%らしい。第一世代iPhoneよりもコストダウンに成功したようだが、それでも結構高いなあ。アップルとしてはこの端末を持たせて、そこから先どれだけ課金できるかが今後の課題だろう。
一方ソフトバンクにとっての最大の問題は、これからデータ通信量が膨大になっていくのに対してインフラ整備が追いつくのか、ということだ。財務上、それに耐えうることができるのかどうかは疑問だ。
ちなみに原価率55%というと、都心で毎日弁当を売りにくる優良企業、「玉子屋」の弁当の原価率(53%)とほぼ一緒だ。弁当の種類は1種類のみ。毎日数万個作ってロスが数個、という徹底したシステムの企業である。iPhoneもなかなかやるなあ。
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