シーシェパード
シーシェパードの船長が逮捕された。調査捕鯨船に無断で侵入した罪とのことで、逮捕されニュースにする時点で彼らの宣伝活動をアシストする形になってしまうんだろうけど・・・
シーシェパードは、「世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉」をかかげるアメリカに本部を置く非営利組織だ。何年か前、アウトドアウエアのパタゴニアが支援していることで話題になったっけ。
行動はむちゃくちゃだが、欧米・オセアニアでは彼らの行動には同意的だそうだ。つまり捕鯨を止めさせるためには、彼らのやり方は仕方ないとみられているようだ。
何となく日本だけがターゲットになっていて、日本伝統の食文化を否定されているような気がしていたが、海外では鯨は本当に食べないんだろうか?
調べてみると、捕鯨推進国は日本以外にもけっこうあって、そのうち食糧にしているのはロシア、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島、カナダなどだ。アメリカの一部ネイティブインディアも鯨を食べるそうだ。(それなのに国としては反対しているイメージがあるが)
一方強く反対するのがオーストラリア、ニュージーランド、フランス、スペイン、インド、南米だ。 一方でただ一口に反対と言っても、シーシェパードのように海洋生態系保護+動物愛護といったものから、種の保護のために少数民族の伝統捕鯨は良いが大資本による捕鯨は反対とか、いろいろな論点があるらしい。
何となく日本たたきのようにこの問題をとらえていたが、ちょっと違うみたいだなあ。
日本人の反論としてよくあるものに、じゃあアメリカ人は牛を食べるが、それと何が違うんだ?鯨を助けても牛の数が減るだけだ、というものがある。これに対しては、単に鯨は知能が高いからかわいそうだということではなく、殺すのに時間がかかるので人道的に問題があるという議論があるようだ。
他に欧米では受け入れられなさそうな独特の食文化は何があるかなーと考えてみた。
例えば昆虫。これは今でもアジアでは広く食べられているし、日本でも長野などに行くとハチやカイコ、バッタが食べられている。中国では蛾も食べるし、南アフリカではカメムシを食べるそうだ。
あとは犬。韓国だけかと思ったら、中国でも食べられている。日本でも江戸時代までは食べられていたようだ。
もっと日本でも食べられているものでいうと馬。これはアメリカでは絶対に食べない。イギリス、フランスもそう。なぜか中国でも昔から食べられないそうだ。
こうしてみると、食文化でいうとどこか1つの国だけの独特の習慣というのはあまりないのかもしれない。やはり陸地を通じて地域から地域に広まっていくものだからだろうか。
ちなみに自分は結構その地ならではのものは食べるようにしてきた方かもしれない。
「ゲテモノ」に対する好奇心だけだけど。
韓国では、今はまた犬料理を出す店が増えて、ソウル市内でも500軒以上になったようだが、自分が食べたのは10年前くらい。ソウルオリンピックの時に市中心部から締め出されていて、ソウルの郊外にタクシーで食べに行った。たくさんのにんにくと煮込んであり、何とも高級スタミナ食といった印象だった。
日本でも年間5トン(2008年)輸入されていて、韓国料理店で食べられるけど、何となくタブー扱いだ。何年か前に犬の頭が大量に見つかり、殺害事件かと騒ぎになったが、料理用に仕入れた材料を韓国料理屋の従業員が捨てたものだとわかり、はからずも日本の李飲食店でも出していることが明るみに出たことがあった。
あとはケニアで、これは外国人向けの有名店なんだけど、象とかヌーとかが出てくるシュラスコを食べたこともある。焼いてあるから本当にその肉なのかどうかわかんなかったけど・・・唯一おいしかったのはヌー。水牛だからまあ牛肉か。
こういう観光客向けのものはあまり良くない気がするけど、文化として昔から存在する食文化は、無理して残すことはないが食べる人が今でもいるなら尊重すべきだと思う。
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