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キリン・サントリーの合併

少し前になるが、キリンとサントリーの統合の話が進んでいることが発表された。
以前、国内ビールメーカーは米国や中国にこぞって自社製品を輸出していたが、ビールというのはどうも地元の味が一番なじみがあるらしく、なかなか海外進出は難しい。
ある時点から、海外のメーカーは市場拡大に見切りをつけ、各国の地元メーカーを統合していく流れがあった。
かつて世界最大のビールメーカーだったアンハイザー・ブッシュも4位にまで落ち、ベルギーのインターブリューとブラジルのインベブが合併しでてできた、第2位のインベブに買収され、第1位のアンハイザー・ブッシュ・インベブができた、という具合で、ひと昔前の製薬業界のようだ。
なのでランキング10位以下のキリンとサントリーが合併しても不思議はないんだけど、なんといっても規模がでかい。アドバイザーはどこが取るんだろう・・・と思っていたら、どうやらキリンがモルガンスタンレー&三菱UFJ、サントリーがゴールドマン&野村に内定したようだ。

さてこのMAで一番の注目はサントリーの企業価値をどう算出するかだろう。
何といっても非上場。しかも別に業績が悪くてキリンに買われるという立場でもない。
キリンはしきりに日経でも「対等合併」を強調していたが、理論的には合併比率は計算された企業価値で決まるものなので、ファイナンス的に「対等合併」はありえない。
やはり規模から考えるとキリン:サントリー=6:4くらいにするんだろうか。一応キリンによるサントリーの買収、という形だろう。

一方で新会社の株主構成がどうなるかはとても面白い。サントリーの大株主は「寿不動産」。鳥居・佐治の創業家一族の会社で、持ち株比率は89.33%になる。
ということは6:4で合併したとしても、新会社の株式の30%以上は寿不動産が持つことになるのかもしれない。33.4%あれば、M&Aや定款を変えるような事項を決める、取締役会の特別決議を単独で否決できる。
つまり上場企業「キリンサントリー」は、3分の1強の大株主が、「やってみなはれ」の株主ということになる。このノリに、プライドの高いキリンのエリート集団がどう反応するんだろうか。うまくかみ合えば経営的には例をみない、ユニークな会社になるかもしれない。

ただし、サントリーは上場の準備をしてきたわけではなさそうなので、情報開示は上場企業並みとはいえ、コンプライアンスなどまだまだおおらかなところがあるだろうから、そこをどうするかの問題もあるかな。

しかしサッポロの経営陣が、ファンドの買収から自分の椅子を守るのに時間を費やしていた間に、比較的好調なキリンとサントリーが合併するとは、やはり経営者の見識の差なんだろうなあ。


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