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2008年12月

非正社員の解雇

一昨日の夜、たまたま早く帰るとNHKがついていて、7時台から9時台のニュースに至るまで、ずーーーーーーっと「非正規社員」の雇用問題を扱っていた。異様なぐらいの取り上げ方だ。
メディアによっては「派遣の解雇」という言い方もしている。
呼び方は何にせよ、言っていることは「非正社員だからといって簡単に解雇するのはけしからん。解雇された人は住居も追い出され、住むところがなくなる。」といった内容だ。マスコミでも自動車会社から「解雇」された派遣社員が、住むところを出なければならないといって組合をつくりビラを配っているシーンが何度も出てきているし。
また日本総合地所の内定者が内定取り消しに納得できないとして、会社と話しあったが迷惑料100万円に納得がいかない、というシーンも報じられている。
さて、本当にすべて会社側に問題があるのだろうか?どうもそうとは思えない。
わかりにくいのは、異なる問題が含まれているのに、全て一緒に取り上げているせいだと思う。
1.非正規社員の解雇の問題
今年の1月~3月の日本における非正規社員の比率は労働者の34%を占めている。ここまで増えてきた非正規社員だが、ところで正社員と非正規社員の違いは何か?
ひと昔前は非正規社員がする職種も限られていたが、今はかなり規制が緩和されてきている。やはり大きな違いは、雇用期間に限定があるのか、ないのか、という点だろう。
会社側としてはあらかじめ決められたルールに基づいて通告した解雇であれば、問題はないだろう。あるのは「冷たい」というような感情論だ。
1)「非正規社員は身分が不安定だ」という主張
これは言い換えれば身分が「自由だ」と言うこともできる。正社員は簡単に解雇はされないが、逆に拘束力は強い。景気が良いときにも、より給料の高い会社に気軽に移ることはできないし。
2)「正社員と同じ仕事をしているのに待遇が違うのはおかしい」という主張
これも同じで、雇用期間が違うのに待遇が同じ方がおかしいんじゃないかな。あとはそもそもそれを承知で非正規社員を自分で選択したわけだし。
3)「家を追い出されるのは冷酷だ」という主張
これもちょっと違和感がある。会社は労働に対して賃金を払っているのであり、人生まるごと面倒をみるわけではない。労働を提供するにあたって特殊な事情(自宅から遠いなど)があるなら労働をバックアップするために家が提供されることはあるかもしれないが。
まあ正社員だからといって社宅が提供されないことも当たり前になってきているのに・・・

2.派遣社員の解雇の問題
これは「非正規社員の解雇」よりも違和感がある。彼らの雇用主は派遣会社であり、派遣先の自動車会社ではない。なので「解雇」という言葉を使うとしたら派遣会社を解雇される時であり、今回問題となっているケースは「派遣期間満了前の打ち切り」だ。
これはなおのこと、ルールに基づいているのであれば問題ないと思う。

3.内定取り消し
これは全然違う問題だ。内定は単なる「約束」ではなく、雇用契約、正確にいうと「解約権を留保した雇用契約」だ。なのでそう簡単には取り消せるものではない。この問題を上記の問題と並列で議論するのはちょっと違うんじゃないだろうか。
しかし日本総合地所の内定を取り消された学生が、迷惑料として100万円の提示を受けたのだが、これには留年せざるを得なかったときの学費も含まれる、という会社側の説明に対し、「生活費はどうなっているんだ」と質問したところ、会社が生活費は補償しないという回答があって決裂したらしい。うーん、これも何だかなあ。入社する前から人生丸抱えを期待していたんだなあ。おまけに今後公務員試験を受けるにしても予備校代がかかるからそれも補償すべきだ、とか。もういいかげんにしなさい・・・。

このように、ここのところ報道されている雇用の問題は、きちんと何が問題かを分けて議論しないと、単純に「解雇=会社が悪い=個人がいじめられている」みたいな構図でとらえられているように思う。

昨日のニュースでは、敷金・礼金ゼロで部屋ではなく「部屋の鍵」を貸すので家賃が安いかわりに1日でも支払が遅れると鍵を変えられ反則金を払わなければならない、という賃貸物件の話が報道されていた。支払が遅れ、鍵を変えられて締め出された若者が、知人から家賃を借りるまでの間ネットカフェに滞在せざるを得なかったと憤慨していた。それは約束を破っているだけで、企業姿勢がどうのという問題ではないだろう。

ただし、昨今の経済状況は通常とは異なる「異常事態」だ。こういう時には、「リスクを払っていないからリターンはなくて当然だ」とかいう議論は後でゆっくりするとして、まずは本当に危機にある人は救わなければならないと思う。
それをするのは企業ではなく、政府の仕事。こういう時こそ「セーフティネット」の出番だ。雇用問題が起きた時のためにあるのが・・・・雇用保険じゃないのかな。
なのにメディアでは「雇用保険」の「こ」の字も出ない。どうしてだろう!?!?

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mixi

ここのところ、mixiのコミュニティがめっきり静かになったような気がするのは気のせい?
そのmixiが招待制をやめて登録制に、かつ対象年齢を引き下げることを発表した。

この招待制は、加入者の質を維持するためにmixiが競合の参入に際してもかたくなに守ったルールだ。機関投資家の間でも登録制にして加入者を増やすべきか、招待制こそmixiの強みを生んでいるもので維持すべきか、議論がされてきた。

この1年間、mixiは従来の勢いのまま閲覧数(ページビューを増やしてきたが、昨年夏にPCからの閲覧数と携帯からの閲覧数が逆転し、その傾向に拍車がかかっている。もう既に携帯はPCの約2倍の閲覧数だ。
以前のmixiのコミュニティはかなりマニアックなものもあり、例えば統計のコミュニティは専門家が質問に答えてくれたりして、とても役に立つ感じだったが、最近そういったコミュニティがあまりにぎわっていないように思うのは、この携帯とPCの逆転も1つの要因だろう。
携帯でのアクセスだとやりとりも限られるし、「友人」作り目的が増えてきたのかな?

ネット業界の知人いわく、ここのところは出会い系などに悪用されるケースも多いとのことで、こうなってしまっては招待制にする意味ももはやないんだろう。
mixiは質にかたくなにこだわって、投資家から「もっと早い成長のために積極的な投資を」と指摘されても耳を貸さなかった印象があるが、もうここまでくると質にこだわる意味もなくなってきたので、携帯への移行で下がっている広告単価を上げていくことに集中することにしたのかな。
ただし、2年前はアクティブ率(3日以内にアクセスする人の割合)は70%くらいあったのが、最近では50%に近くなっており、ユーザーが増えても広告対象としては魅力は薄れていくように思う。とりあえず質より量を追うという戦略だが、もう後戻りはできないという意味で大きな転換点だと思う。

何といっても、mixiはネット系ベンチャーのイメージに合わず、国債を20億も買っている会社だ。堅実といえば堅実だけど、成長を期待しての株価だと思うので、その期待で集めた資本を塩漬けにするというのはいくらなんでも経営者として策がなさすぎる。
このニュースの発表後株価はしっかり戻しており、一応の評価はされたといえるが、これから1年間は正念場だろう。

ところで今回の更新はだいぶ間があいてしまいました。少なくとも週に1度の更新を心がけてきましたが、数日遅れてしまいました。
実は先月からある資格の勉強を始めて、朝会社に行く前の1時間はそちらに取られるようになったせいもあります。そんなに時間のかかる資格じゃないんだけど、自分の勉強(復習?)のために取ろうと思ったので一応ちゃんと勉強してます。とはいえちゃんと更新もします・・・

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