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マスコミに対するトヨタの報復

このニュースも最初に報じられてからさっぱり後が続かないなあ。
トヨタの奥田相談役が、12日に開かれた「公正労働行政のあり方に関する懇談会」で述べたコメントなんだけど、ニュースとしてはかなりのインパクトがあると思うんだけど・・・
TVによる年金問題の報道に対する彼の批判。
「あれだけ厚生労働省がたたかれるのはちょっと異常な話。正直言って私はマスコミに対して報復でもやろうかと。スポンサー引くとか。」

これはすごい発言だ。
1.広告宣伝費の力
何といってもスポンサーであることのパワーを自らの口で語ってしまっている。これはトヨタのトップとして失態だろう。

2.なぜ年金問題?
それはそうと、なぜその怒りの矛先が年金問題なのか。何かトヨタに問題でもあるのか?それとも単に奥田相談役の政治欲というか、政治を動かしているのは財界トップの自分だという自負の表れか、何なんだろう。
話はずれるが、ここのところの政府批判や不景気報道に対して、消費者の財布のヒモがしまるので広告主の業績にも影響があるということで、そうした報道を控えるようにと指示が出たTV局もあるという話だ。それに対する怒りならまだわかる。

3.ところで相談役が企業の広告宣伝費の決定権限を持っているのか?
1でトップと書いたが、奥田氏はもう相談役だ。相談されたらアドバイスする、という役職名じゃないのかな(笑)?トヨタの今年の広告宣伝費は、昨年の1083億円から3割程度削減されることがもう発表されている。この奥田氏の失言問題があまりマスコミで取り上げられないということは、まだまだトヨタにとって奥田氏はかつてのまま、「天皇」なんだろう。

トヨタというと以前にも何度か書いたが(なぜかこの話題を書くたびに文章が消えてしまったりするが・・・愛知県からのアクセスも増えるし・・・笑)、マスコミはあまりネガティブな記事を書けない企業だ。これは報道が広告料でなりたっているビジネスである以上、当然のことであるし、限界であると思う。
しかしそのパワーを本人がメディアの前でちらつかせてはいけないし、「トヨタはすばらしい」と思っている一般の人々にも疑問を抱かせることになるのではないだろうか。

若者の車離れが急速に進んでいる、という話もあまり報道されてこなかったが、今日のニュースの中にそれが出ていた。2009年の国内販売計画は150万台を割り、28年ぶりの低水準になるというニュースがそれで、原因として景気の悪化と若者の車離れがあげられていた。今までトヨタというと「世界最大の生産台数まであとわずか」という形で好調さが強調されてきたが、このニュースでは「今年の10月までの販売台数は5%ダウンの127万台で、このままいくと4年連続で前年割れにおわる」となっている。なんだ、国内は不振だったんだ、と改めて気がついた。

今日書きたかったことの2点目は「メディア・リテラシー」。数多い情報の中から正しい情報、有用な情報を自分で取捨選択できる能力のことだ。日本人は圧倒的にこれが弱いと思う。自分も含めてだけど。海外では学校の授業として取り上げられている国もあるのに。
2006年に読売新聞が行った調査では、新聞を大いに信頼できる+大体信頼できるとこたえた人の割合が、50歳代でなんと92%。一番低い20歳代で83%もいるそうだ。
TVよりも新聞を読もう、というくらいだから、日本人のメディアリテラシー教育はかなり難しいだろうなあ。

最後にもう1つ今日のニュースで気になる記事が。昨日放送されたサザエさん40周年スペシャル番組の視聴率が20.9%を記録し、ここのところ10%台後半と低迷していたが長寿番組の貫禄をみせつけた、という記事だ。んー、株価の底はまだ先かな。(意味がわからない方は10月30日のエントリーをご参考に。)

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» 偉大なるTOYOTA様 [名盤!]
いや~凄いねトヨタ。 あんなこと言えちゃうんだもん。 しかも言い返せないんだもんテレビ局。 [続きを読む]

受信: 2008年11月18日 (火) 06時05分

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