株価は底なのか?アンパンマンは?ドリカムは?
為替も株価も激しく上下している。素人目には「長い目で見ればもう戻るだろうから、そろそろ買いだろう」という気がするし、実際周囲でもそういう声は多い。
しかし今の状況はそんな状況ではないような気もする。ゴールドマンサックスとシティの合併の話もまだ続いているし、これからもう一段ある急降下の前の乱高下のようにも思える。
自分もよく知っている小幡績先生(慶應ビジネススクール准教授)の最新刊「すべての経済はバブルに通じる」を最近じっくり読んでいるのだが、やはり今は株主が入れ替わって崩壊寸前なんだろうか・・・?
ちなみにこの本、サブプライムに端を発する今回の不況のプロセスが実によくわかりやすくかいてある。前半3分の1を読むだけでも今回の金融危機は理解できると思う。おススメです。
この本について、後から起こったことに理屈をつけているだけだ、という批評がアマゾンにあったが、先生のブログを読んでいるとそうでないことがわかる。なんてったってこの本はリーマン破綻の直前に出されたものだし、彼はその前に持っていた株を全部売り払ってポジションをゼロにしていたんだから・・・。
ちなみに小幡先生のメインの専門は行動ファイナンス。投資家の心理を分析して株価の動きを説明する、といったところだろうか。
自分も興味があって少し勉強したのだが、大和総研のアナリストでおもしろい相関をいつも提供する人がいる。
つまり株価が今後どうなるかは予測できないが、他の何かと相関するのであれば、そちらを調べて予想しよう、ということだ。これまであがったものの一部を並べると・・・
(サザエさんの視聴率が下がると株価は上がる)
これは一番有名だろう。サザエさんの視聴率が下がると株価が上がる、というものだ。
これはある期間に関して、きちんとデータを解析して相関を調べている。
もちろん単に相関しているだけで、何の因果関係がないかもしれない。一応彼らの説明では、サザエさんを見るということは日曜の夜に家にいるということで、景気が悪いことをあらわしている。逆に外出や外食でその時間にいないということは消費につながって経済も調子がよく、株価も上がる、という推定だ。
(アンパンマンの人気が上がると株価も上がる)
これはバンダイの「子供の好きなキャラクター調査」の結果で、男子の間でのアンパンマンの人気と株価が相関しているというものだ。この説明は、アンパンマンはやさしいキャラなので、これが人気があるのは心理的なゆとりがある証拠だ、というもの。でも子供は株をかわないからなあ。
(ドリカムの人気が上がると株価も上がる)
これはテレビタレントイメージ調査でのドリカムの人気と株価との間に相関があるというものだ。これはアンパンマンと同様の理由かな。
他に同様の相関があるのは
(犬の人気が上がると株価も上がる)
というのもある。
(ウインドサーフィンの人気が上がると株価も上がる)
これは心理的にも、費用的にもウィンドサーフィンはゆとりがないとできない、ということだろう。これには続きもあって、
(サーフィンの人気が上がると株価は下がる)というのもある。
(睡眠時間が減ると株価は上がる)
睡眠時間が減るのは趣味に仕事に忙しい状況であり、いずれにしても株価にはプラスの状況(ゆとりがある、もしくは仕事が多い)だということだ。
(新幹線の乗客が増えると株価は上がる)
ビジネス客が多いということは景気もいいはずなので、これは相関があって当然かもしれない。
景気と関係ありそうな相関は他にもあげられていて、
(サラリーマンの小遣い使用金額が増えると株価は上がる)
(現金の落し物が増えると株価は上がる)
というのもある。
(東京ディズニーランドの客が増えると株価は上がる)
これも同様かな。これも続きがあって、
(昭和記念公園の客が増えると株価は下がる)というのもある。
昭和記念公園の入場料は400円だそうだ。景気が悪いので安く済ませようということか。
これらは半分冗談、半分真面目(半分以上か?)な調査だけど、行動ファイナンス的にはとても興味深い。
大きくまとめると心理的に余裕があるとき、または行動的な気分のとき、投資行動を取りやすい、つまり株を買う、ということだろうか。
ただ、これらをもとに株価の動向を占うには、上にあげた相関関係がある事象について予想できなくては意味がない。アンパンマン人気は今後どうなるか?ドリカム人気はどうなるか?
うーん、これらを予想するなら、真正面から株価動向を予測しようとする方が近道かもしれないなあ。
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