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公務員は安定なのか?

ここのところ、大阪府の職員と橋下知事とのやりとりがよく取り上げられている。別に橋下知事を支持するわけではないが、大阪府の職員のコメントも一般常識から考えるとちょっと外れていて、まあどっちもどっちという感じかな。
例えば、大阪府職員は4時間あたり15分の「有給休憩」を与えられている。民間平均よりも勤務時間が45分長いということもあるようだが、こうした実質上の「タバコ休憩」を廃止する動きがある。それはそうだろう、というかそんな休憩がある方が驚きだ。それに対する職員の反対意見がさらに驚きで、「休憩が廃止されると昼休みを除いてずっと気を張り詰めて仕事を続けなければならず、気分転換をするのもはばかられる雰囲気になる。タバコを吸いながらの意見交換も重要な情報収集だ・・・」みたいな意見があった。
意見交換は仕事に関する話ならどうどうと勤務時間にすればいいだろうし、そもそもこの人は今まで1日何時間くらい「気を張って」仕事をしてきたのか、ぜひ聞いてみたいものだ。
あと、賃金一律カットに対する団体交渉でのコメント。「私が何か悪いことをしたとでも言うのですか?」
うーん、これが公務員の仕事に対する意識を端的に表しているのだと思う。「悪いことをしていなければ問題はない」と言いたいのだろうか。自分達1人1人が問題提起をせず、結果的に組織全体が傾いてしまったことに対し、心の中で「自分には関係ない」と思うならまだしも、カメラの前で本気でこういう発言をしてしまっているのだ。
彼らの意識の根底には、「公務員は安定している」という考えがあるのだろう。だからこそ公務員になったんだし、周囲には「公務員は安定していていいわね」などと言われるし。
しかしかつて安定していると思われていた伝統的大企業が、株主からの監視が強まるにつれ、ガバナンスが強まり、早期退職や解雇などのリストラを既に行う世の中だ。これまでやはりガバナンスの全く効かなかった公務員に対し、納税者による監視が強まり、その圧力に加え革新的な知事(企業で言うと社長)が送り込まれてリストラに取り組む。構図は同じであり、もはや公務員は安定とはいえないんじゃないだろうか。
そうはいっても「公務員は解雇できない」のかな、と思っていたら、法律上はそうではないらしい。

国家公務員法第78条(本人の意に反する降任及び免職の場合)
職員が、左の各号の一に該当する場合においては、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
第1号  勤務実績がよくない場合
第2号  心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
第3号  その他その官職に必要な適格性を欠く場合
第4号  官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合

そう、勤務実績にかかわらず「予算の減少により過員を生じた場合」は「本人の意に反して」解雇することは可能なのである。
ただ、ここがおかしいのだが、実効上は1969年の国家公務員の人数を抑える総定員法制定の条件に「公務員の出血整理や本人の意に反する配置転換は行わない」というのがあり、これが今なお守られているとのことだ。法律に明らかに反する「慣習」であり、法律がある以上は運用上歪められることなく徹底されなければならないのではないか。
それがなぜできないのか?

答えは簡単。徹底するのは公務員本人だからだ。やはり株式会社で、取締役が自分たちを取り締まるわけがないのと同じだ。公務員の合理化は、ガバナンスの仕組みをきちんと作らないと、単なる短期的な賃金カットだけでは絶対に成功しないだろう。

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