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成果主義から定性評価へ

今日の日経新聞で、三井物産の人事評価制度の話が出ていた。この会社では成果主義を導入し、売上高の前年比、新規事業件数などの定量的な評価で給与に大きく差をつけていたのだが、それをやめて定性評価に戻したという内容だ。

成果主義だと「稼ぐ社員がいい社員」、「業務知識や人脈は人に教えると損」という風潮が広まり、「人の三井」の強みが損なわれてきたとのこと。

変更後の定性評価の項目は以下のようなものである。

・企画立案:

広い視野で先を見通して構想する

・実行推進:

人をひきつけ、協働する

信念と熱意をもってやりとげる

・人材育成・指導:

    相手を知り、持ち味を認める

    期待をかけ、仕事を任せる

三井物産のマネージャーのコメントとして、人事面接の雰囲気が明るくなったとあったが、それはそうだろう。頑張っていれば結果は問われないわけだからなあ。頑張るだけなら誰でもできると思うけど・・・

1.   成果主義が悪いのか?

三井物産の人事企画室長は「利益評価からプロセス評価へと変えた」とコメントしている。そう、三井物産の評価は「成果主義」というよりは「利益評価」だったからうまくいかななかったのではないだろうか。上であげた「企画立案」、「実行推進」、「人材育成・指導」は全て成果を測ることは可能だと思う。そこを問わずに「プロセス」だけ評価するのはなぜだろう。どうやって評価するのだろうか。納得のいく評価がつくのだろうか??

どうも成果=利益=悪という思考にとらわれているような気がする。

2.   単に昔のやり方への回帰か?

三井物産はこの他にも、新入社員の大半に寮に入ることを義務づけたそうだ。その点から考えると、ひょっとすると単に「昔のやり方はよかった。最近の若者は甘い。昔のやり方で彼らを鍛えるべきだ。」という、先輩社員のノスタルジーからくる揺り戻しかもしれない。

昔のやり方が良いのか、今のやり方が良いのかはわからないが、現在の若者の考え方、時間の使い方が変わっていることだけは確かだ。

最近、部下との「飲みゅニケーション(死語)」を推奨し、会社が費用を出すという会社の記事も読んだが、自社の若者の変化に対応できない会社が市場の変化に迅速に対応できるとは思えないけど。

ということで、この成果主義と定性評価の間の揺り戻しがどういった落とし所に落ち着くのだろうか。

ところで「業務知識や人脈は人に教えると損」という考え方。これって本当に間違いだろうか。一人一人が「人に教えると損だな」と思えるくらいの知識や人脈といった「情報」持つような会社は、ひょっとすると理想のプロ集団かもしれない。ただ日本では大学で一度頭を「リセット」して、真っ白な状態から社会人教育が始まるので、やはり知識・知恵の伝承は必要なのかもしれない。でも自分達が学生の頃と比べると、最近の学生はきちんと勉強して優秀な学生が多いので、こうした考え方も改めなければならないかも。

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コメント

定性評価ってすなわち、欧米のジョブディスクリプションってやつか・・・?
なんかまた失敗しそうだな。

投稿: | 2008年6月16日 (月) 23時18分

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