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水着競争:現場に答えはあるのか

世界新記録連発で注目の、SPEEDO社のレーザー・レーサー。体を締め付けて筋肉の揺れを軽減したり、縫い目のない縫製を実現したりなどで推進力が増しているとのことだ。自分は泳がないのでさっぱりわからないけど。

そして今話題なのが、日本水泳連盟が2012年まではアシックス、ミズノ、デサント(arena)の3社と契約をしているため、日本選手が北京五輪で着ることができないという点である。もっとも2006年6月までは、SPEEDO社の水着はミズノがライセンス契約を結んで販売していて、北島選手を始め多くの日本選手が着ていたわけで、まあ運が悪いということだろうか。

1.3社との契約に問題はなかったのか?

日本水泳連盟は3社とオフィシャル・サプライヤー契約を結んでいたわけだが、独占の見返りに巨額のスポンサー料をもらっているのだろう。それにしても「独占」ということは、他社に劣る水着である可能性も含めて「独占」であるわけで、他に優れた水着が出る可能性は考慮していなかったのだろうか?3社にはブランドの宣伝というだけでなく、優れた水着を提供する「義務」があるわけで、何らかのターゲットを設定して、これを縛る契約にすることはできなかったのだろうか?

2.水泳は団体競技なのか?

個人的にメーカーとスポンサー契約をしている場合は別として、連盟として個人である選手に水着のメーカーの制限をつけるという発想が理解できない。日本全体へのサプライヤー契約であるなら、チームジャージとかキャップとかで揃えるべきで、水着は個人の好みの問題が大きいので縛らない方が普通の発想ではないだろうか。例えばサッカーはシューズは個人の好みで作っており、いくら日本代表のユニフォームのサプライヤーがアディダスだろうがシューズにまで縛りはない。

いつもオリンピックなどで気になるのだが、「チーム日本」が強調されていて、試合の合間の選手も皆応援に駆り出されていたり、まるで団体競技のようだ。柔道よりもそれを強く感じる。

3.日本のメーカーが悪いのか?

報道の論調も、SPEEDO社との技術競争に負けた日本のメーカーが悪いように書かれているが、オリンピック級の選手の水着は、選手の要望を最大限に聞いて開発されているはずだ。レーザー・レーサーは非常に薄い布地でできているそうだが、日本人は透けるのをいやがり、薄い布地を嫌うらしい。また「動きの邪魔をしない」ことを重要視してきたので、着るのに30分もかかるような、きつい水着は嫌ってきたのだろう。つまり日本のメーカーは選手に水着を合わせてきたのに対し、SPEEDO社は水着に選手が合わせることを求めてきたということだ。

大きな技術革新・イノベーションのヒントはやはり現場にあると思う。しかし、答えがいつもそのままあるとは限らない。現場がまだ知らないこと、もしくは間違っていることもあるということで、そこをあえてくつがえすところに大きなイノベーションが生まれるということだろう。

ちなみにレーザー・レーサーは既に一般向けに予約販売が始まっていて、タイプによって価格は異なるが4万円台から6万円台。何かと「世界新連発」と機能面ばかり強調されているが、デザインはコム・デ・ギャルソンとのコラボで、右足には「心」という字をモチーフにしたデザインが施されている。これを日本人が着れないとしたら、皮肉だなー。

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