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あきらめなければ夢はかなうのか?高橋尚子と夢手帳の話

先月の話になるが、マラソンの高橋尚子選手が、大会前にインタビューで抱負を聞かれてこう答えていた。「あきらめなければ夢は必ずかなう、ということを皆さんに伝えられるような大会にしたい。」 正確ではないけどこんな感じ。

別に惨敗したから言うわけではなく、このインタビューを聞いたときにものすごい違和感を感じた。「あきらめれば夢は絶対かなわない」ならわかるんだけどなあ。

あきらめていないのに夢がかなわない人はたくさんいるわけで、というよりも圧倒的大多数はそういう人だろう。 つまり「あきらめなければ夢は必ずかなう」というのは、夢がかなったほんのわずかな人の感想であって、大多数には全くあてはまらない法則だ。確率からいうと「年末ジャンボは、当たると信じて買い続ければ必ず当たる」と、毎年買っていてある年当たった人が言ったコメントみたいな感じだろうか。そういう自分も「そうだよな、とにかく買わなきゃ当たらないよな」と思ってしまうけど。

こう言うと「いや、高橋選手は血のにじむような努力をしている」と言うかもしれないが、人より努力するだけでは夢はかなわないと思う。高橋選手よりも努力している人なんてたくさんいただろう。「その夢をかなえるだけの才能を持って生まれた人が、目標を達成するための正しい努力をたくさんして、なおかつ運がよければ大きな夢もかなえることができる」 こういうと少し正しいだろうか。なんだか小難しいなあ。

1.これを手帳の話でいうと・・・

この話で思いつくのが「夢を手帳に書けば必ずかなう」系の手帳(以下「夢手帳」と呼びます)だ。実は以前にも書いたが自分はもう10年以上「フランクリンシステム」の手帳を使っているが、このフランクリンも「人生は手帳で変わる」なんていう本を出しているので、自分も夢手帳ユーザーということになる。(苦笑)

最近経済評論家の山崎元氏もブログで書かれていたのと同意見になるが、夢を手帳に書かないよりは書いた方が意識付けになるのは確かだけど、手帳に目標と達成手段を各行為と、実際に努力を続ける行為にはものすごいギャップがあると思う。

もし夢を手帳に書いて、日々の目標にドリルダウンして、それを実行して確実にかなうとしたら、その夢は達成可能性が高い夢にすぎなかった、ということだろう。

でも本当に想定もしていない展開になるとしたら、それは手帳の上で考え抜いたロジックを超えたハプニングがあるときだと思う。頭の中で考えたロジックの中に閉じこもって生活していると、そうした飛躍のチャンスも見逃してしまう。

なので、夢手帳は目標設定とその達成のためのドリルダウンを確実にするためのツールであり、「夢をかなえる」ものとは思わない方がいいだろう。

2.夢手帳の誤った方向性

最初の高橋選手の言葉に戻るが、「皆さんに伝えたい」という表現。これも気になって仕方がない。彼女はスポンサーのついた「商品」であるので、もし「商品力」を自分で維持するための筋書きだとしたら安心だ。いや、尊敬するなあ。

ただ、彼女のコメントをネットで検索して驚いたのだが、本当に何の疑問もなく「Qちゃんの熱い気持ちが伝わった」とか「勇気をもらった」系のコメントが多いのだ。「Qちゃんはレースに負けたけど、それは単なる目標の1つであって、彼女の夢はもっと深いところにあるに違いない」とまで書いている人もいた。そうかなあ!?!?

恐らく「あきらめなければ夢はかなう」という言葉は、何かに救いを求める人の気持ちに入っていきやすい言葉なのではないだろうか。

これは最近の夢手帳系ユーザーにも見られる現象だ。mixiの夢手帳系コミュニティで、最近「皆で集まって手帳に自分の価値観や目標を一緒に書きましょう」みたいな集まりが各地で増えているのだ。

手帳に何かを書くとか生かすというのは、ものすごく個人的な行動なのに、集まって書き方を教えあうなんて、ネットで何でも簡単に教えてもらおうとする風潮の表れかな、と思っていたのだが、どうも違う雰囲気だ。

「信じれば夢はかなう。そう思っている人で集まって、その仲間を増やそう」というのはまるで宗教と同じだ。つまり、「夢手帳」は宗教的な「心のよりどころ」になってしまう危険性があると思う。

さて、高橋尚子はこれからどこに向かっていくのか?宗教家か、それとも政治家か??増田明美の座を奪って普通にマラソン・コメンテーターだったらいいんだけどなあ。

あと、「あきらめなければ夢はかなう」と信じた人は、そうではないと感じたときにその現実とどう折り合いをつけていくのか??そっちの方がよっぽど心配だ。

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コメント

「あきらめなければ夢は必ずかなう」
マルチ商法でもよく使われれますね。夢がかなう前に死んでしまうのは自己責任の世界ですからね。私はこの言葉が大嫌いです。

投稿: 通行人 | 2014年8月31日 (日) 23時54分

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