日銀総裁
日銀総裁人事がここにきてニュースになっている。福井総裁の期限が切れる19日がいよいよ迫ってきたためだ。
今日、参議院で武藤副総裁の総裁昇格と伊藤教授の副総裁就任が否決された。この人事がなぜこんなにもめて、ニュースになるのか。それは日銀総裁人事は衆議院と参議院の両院で可決されなければならないため、今のねじれ国会状態である限り、民主党が反対すれば絶対に通らないためだ。
この規定はねじれ国会になったときから話題になっていたので、調整の時間は十分にあったはずだ。
しかも今は世界経済(米国経済)の緊急事態だ。各国の中央銀行が連携をとり、世界全体の危機に対処しているその最中だ。
民主党の反対の理由は、武藤副総裁は元財務事務次官なので、財政・金融分離の原則に違反する、ということだ。まあ仮にそうだとして、伊藤教授の反対理由は、「経済財政諮問会議のメンバーで、格差社会を促進した人物だから」とのことだ。これで、民主党は何の主義・主張もなく、単にねじれ国会状態を利用して対自民党のパフォーマンスをやっているだけなのがわかってしまった。事実、民主党の某幹部が「武藤総裁に同意して日和見したとメディアに書かれたくない」とコメントしている。
ではいったい民主党は誰が適任だと考えるのか?まさに「反対するなら代案を出せ」だ。
自民党としてはこうなると別の候補を出すしかないだろう。榊原氏か?民主は財政・金融分離の原則を持ち出して反対するのだろうか。
ただ、次期総裁は間違いなく金利を上げるべきか下げるべきかという正解のない意思決定を迫られる局面がくるだろうから、このタイミングで引き受ける人はそういないだろう。となると、民主党にとっての着地点は、自民党が武藤総裁を再提案し、その決議を欠席する。そうして自民党が強行採決したことにして、何か問題があったときに自民党の任命責任を追及する。今の民主党にできるパフォーマンスはこの程度じゃないだろうか。
最悪のシナリオは日銀総裁不在だ。民主党幹部はそれでも仕方ない、と言っているが、それはありえない。世界経済の緊急事態の中、幼稚な政治パフォーマンスに終始していると本当に世界の笑いものになってしまう。事実、ついさっきのBBCニュースでも、総裁不在はありえない選択だ、と伝えられていた。となると福井総裁緊急留任というのも1つの選択肢だろう。
先週あたりから連日報道されてきた日銀総裁「チキンレース」も、いつのまにかマスコミは自民党の味方になってしまった。民主党の悪い癖は、世論の動向を左右する、ちょっとしたタイミングをいつも逸していることじゃないだろうか。さてこれから福井総裁の期限が切れる1週間、自民、民主のパフォーマンスと海外メディアの批評ぶりに注目だ。
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