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不安は頭の中にあり、不安という現実はない

野茂英雄がメジャーにわたった年。彼がマウンドに上がる前、必ず読んでいた本がある。

自分はこれからどうなってしまうんだろう、そんな不安と独りで戦いながら毎回読んでいた一文。今からもう10年以上前になるだろうか、その話を新聞で読んで買ってみた。それから今まで、新しいことに立ち向かうたびにこの本を読んだし、周りにそういう人がいたら、この文を教えてあげたっけ。

今日この本を思い出すことがあったので、久しぶりに引っ張り出してみた。

「不安と恐怖をいだくとき」

(一部抜粋)

人間は考えることができます。過去を想い、未来を想うことのできる力を与えられています。それが創造力や洞察力につながります。

しかし、その力が私たちに不安・心配・怯え・恐怖をもたらしています。過去へのこだわりと未来への危惧となるのです。

だから、どんな人にも不安は胚胎するということです。どんな人もそれと向かい合っているのです。そのことを念じて、まず不安と恐れの迷路を絶つことに集中しましょう。

想念のから回りではなく、「今」を生きることに戻ってくること。現在にしっかりと立つこと。過去にとらわれず未来を思い煩うことなく、具体的に現実に取り組むのです。

今できること、今すべきことに心を尽くすこと。目的を思い出すこと。

何を一番大切にしたいのか。頭の中にとどめずに実際に紙の上に書き出してみましょう。そして、背負うべき不安は、恐れてばかりいないで背負ってみるべきです。

不安と恐れの中に飛び込んでみるなら、そこには、ただ「生きる」ことがある!不安を正直に背負って、その重みのゆえに、大切なものを一瞬一瞬選び取るのです。

不安があるということは大切にしたいものがあるということ。不安によってそれを一層確かめること。

「不安」は頭の中にあり

「不安」という現実はない。

あるのは生きる現場。

あるときは、待つこと。

あるときは、退くこと。

あるときは、突入し、関わっていくこと。

ただ心を尽くして生きるだけ。

今日のいのちは今日のもの。

このことを念じて、勇気を出して不安と向かい合ってください。あなたが想像で恐れていたよりも、ずっと小さな事態かもしれない。あなたが考えていたよりも、厳しい事態かもしれない。いずれにしても、空想の不安の虜になるよりは実り多き時なのです。

(「祈りのみち」 高橋佳子)

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