決算発表
最近日経新聞には中間決算発表の記事が並んでいる。先週のある日の投資・財務欄は見開き1面決算関連の記事だった。何となく右のページが好調、左のページが不調の会社に分かれているような気がしたが気のせいか。
何となく全体を眺めていると、全体的に好調なんだなーとか、減益の会社ばかりでどこも不調なんだなーとかわかるものだが、今年は好・不調入り混じっていて今ひとつわからない。
ここで1つ気になったのが、見出しで扱われているP/Lの利益指標がバラバラな点だ。例えば10月31日付けの18面。多くの会社の決算発表の記事が出ているが、「純利益」、「最終利益」、「経常利益」、「税引き前利益」、「営業利益」・・・・それぞれ「前年増」とか「大幅増」と書いてある。つまりそれぞれの企業が自分の会社で今年プラスになっている指標を出しているということだ。その中でもこの日は「経常利益」が多い。これは日本独特の項目で、「毎年恒常的に生み出せる利益」のことだが、それほど意味があるのだろうか?家計でいえば毎月恒常的にかかる収入・支出のことだが、毎月必ず「イレギュラー」な出費はあるんだし。企業の基礎体力を見るなら営業利益を見ればいいでしょう。この「経常利益」という発想は、特別利益・特別損失があるけどそれは今回だけなので、それがなかったとすると・・・・という言い訳がましい指標のように思う。
決算発表のときに指標を選ぶのは日本企業だけではない。海外の企業も減収・減益なのに「もし昨年の為替レートだったとしたら」という計算をして「今年は増収・増益!(CER基準)」なんて平気で書いている。CERはある会社の呼び方でConstant Exchange Rate、つまり為替レートを一定とした場合、という意味。同様にAdjusted Profitなどと名づける会社もある。グローバル企業は為替リスクも含めて「業績」だと思うんだけど。
ということで、日本は四半期決算も定着し、以前よりは透明になったと思うが、まだまだフェアでないように思う。
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