コンビニの将来
大手コンビニの8月中間期決算が出揃った。この中で好決算がローソン、ファミリーマート。調子が悪いのがセブンイレブンとサークルKサンクス。売上は増収の中、利益で明暗を分けた。4社全てに共通するのは、客数は増加しているものの、客単価が減少している。わかりやすく言うと、ペットボトルのお茶だけ買って、以前だったらついでに買ってくれたお惣菜、雑誌類(利益率が高い)を買ってくれなくなった、ということらしい。
そんな中、好決算だったローソンとファミマに共通するのは、新しい業態が成功を収めた点。例えば生成食品を充実させた店舗、女性にターゲットを絞った店舗などなど。
セブンイレブンはこの良くない決算を分析し、「品揃えが消費者のニーズを捉えてない」と結論づけているけど、本当にそうか??コンビニで雑誌を買わなくなったのは買いたい雑誌が最近コンビニにないからか??確かにローソンはレンジで簡単に調理できる冷凍惣菜の開発に力を入れているけど、それに対抗してよりおいしい惣菜を作るべきなのかな??
対策1:業態の更なる変化
従来のコンビ二は、とにかく人が行くところの機能をどんどん取り込んできた。宅配便、銀行、チケットぴあ、ドラッグストア・・・・・・あと人が集まるといえば本屋?スーパー?喫茶店? これらはスペースの問題でダメ。つまり人が集まるけどスペースが不要なものはもうほとんど残っていないように思う。となると今後は逆に方向性を何かに絞っていく必要があるんじゃないかなあ。百貨店が品揃えだけでは勝てないように、コンビ二も「飲食」に絞る、独身者に絞る、女性に絞る、というようにすこし業態を変化させる必要があると思う。
しかーし!!ここで大きな壁になるのは、コンビニはフランチャイズ制ということ。つまりセブイレブン・ジャパンの客は我々ではなく店のオーナー。拡大期は本部にとってリスクを減らせる良いシステムだったが、あまリニュースとして取り上げられないものの本部と加盟店のトラブルはここ数年増えている。例えば加盟店と仕入先の契約は加盟店の責任で結ぶが、代金の決済は本部が一括してやっているので本当の利益がわからないとか、弁当の廃棄損まで原価に組み入れるので本部が持っているロイヤルティの対象になるとか。 こんな状態で本部の意向通り加盟店の業態の転換などそう簡単にはできないだろう。従って今後はフランチャイズ店を閉めて直営店を増加し、本部のコントロール下で様々な新規業態の実験をしていくことになるだろう・
対策2:海外進出の加速か
あとはどの業界でもそうだが海外にこの仕組みをどんどん輸出するのが考えられる手だ。実際どの大手コンビにも近年アジアを中心に店舗数を拡大している。今後も北米、アジア以外にどんどん進出していくことが予想される。 しかーし!!ここで大きな壁になるのは、店名か??ファミリーマート=家族で経営している市場? ローソン=法律上の息子? 半分冗談だけど外国人が持つ語感はけっこう大切だ。「モスバーガー」と聞くとたいていの外国人は「moth burger=蛾バーガー」をイメージするようだし。
あ、フランチャイズ制といえば・・・・自分が注目するのはヤクルト。あれもある意味フランチャイズみたいなもの。ヤクルト本社の客はヤクルトレディ。彼女達に買い取り制で売りつけて、あとはひとつよろしく、と。 それで今でも堅調に業績を伸ばしているんだからすごいシステムだと思う。彼女達がリヤカーでミニコンビニみたいなのを引いてオフィス街を回ったらものすごく売ってくるんだろうか・・・・
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