亀田一家の次の一手
亀田一家の一騒ぎも、大毅が直接詫びたとか、興毅と父が電話で詫びたとか、なんかつまらない形で終息しようとしている。
こういう結果になることはわかっていた筈なのに、勝てるわけがないことは明白だったはずなのに、負けると「約束通り切腹しないのか?」とインタビューするなんて、日本のメディアの知能指数はマイナスなんじゃないだろうか??? そもそも亀田一家はどのようなストーリーで大穀の世界戦をマッチメークしたのかを考えてみる。
(1)本気で勝つ気であるケース ①相手を買収してKOか判定勝ち:まずこれを試みただろう。自分の予想はこれだった。 ②審判を買収して判定勝ち:興毅の一戦であれだけたたかれたので難易度高 ③反則でも何でもとにかく相手を流血させてレフェリーストップ勝ち (2)勝つつもりはないケース ①ヒールとしての評判を取り総合格闘技か米国リングへ:このつもりなら試合後のしおらしい態度は納得できない ②もうスポンサーもついて引っ込みがつかなくなってしまったのでやけくそ
おそらく亀田一家のもくろみは(1)の③、反則でレフェリーストップ勝ちだったのだろう。これは大変リスクの高い作戦で、仮に相手がギブアップしなければ大差の判定負けになってしまう。
ここで考えたいのは、亀田一家のボクシングはスポーツではなく、大きな金の動く「スポーツビジネス」であることだ。パチンコの京楽、ローソン、ナイキ、明治製菓、サントリー、カカクコム等かつて亀田家をサポートしていた大手スポンサーは皆逃げてしまっているので、今カードとして持ってしまっているのはどこかの広告代理店とTBSだろう。彼らはいったいどういうストーリーを描いていたのかがわからない。ありえるのは、今回はどんな負けっぷりでもいいから視聴率は取って、次に亀田家が一丸となって血のにじむようなトレーニングを積み、興毅がリベンジする、という形だろうか。まあ視聴者の反発が強ければ、精神的にまいったフリをしていればそのうち同情論が出てくるだろうし・・・・・。
最近、スポーツはTVを通じて「エンタテインメントビジネス」に仕立て上げられている。あれだけあおって惨敗だった世界陸上。結果は朝に出ていたのに夜に期待をあおって録画中継をしていた世界柔道(残念ながら現代はインターネットで結果は即時にわかる)。いつも女子から始まり、弱いチームに勝って「今回は最強チーム」と思わせながらブラジル、キューバとあたる5戦目くらいから徐々にフェードアウトしていくバレーボール。どう冷静に戦力分析してもグループリーグ敗退は濃厚だったのに、ジーコが監督なんだから前回ベスト16以上は当然といった雰囲気だったサッカーワールドカップ・・・・。広告代理店もからんで日本のTVはまるで自分達がストーリーを書けるような錯覚を持ってしまっているのではないだろうか。残念ながらスポーツは最後に明確な「結果」が出てしまうのである。
さて亀田家の今後の打ち手に注目だ。マスコミ的には亀田家バブルでもうけ、バブル崩壊でまたもうけることができた、おいしーいコンテンツなので、きちんとストーリーを書いてあげてね、TBSさん!!
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