コカコーラ ゼロの心理学
真っ黒なラベルのコカコーラゼロ。今夏に日本でも発売された「20-30代の男性向け」のコーラだ。ここ数年、コカコーラは日本でもレモン味のコーラ、ローカロリーの「C2」、透明なコーラ・・・・などなど次々と新製品を導入してはいつのまにか消えている。
今さらカロリーゼロって、ダイエットコークとどう違うのか?米国では数年前に、従来の甘味料アスパルテームよりも味が自然で保存期間も長い(ダイエットコーラはノーマルのコーラよりも保存期間が短いらしい)スクラロースという甘味料を使ったコーラを出していたがそれとも違うらしい。
知らなかったけど、従来のダイエットコーラは今春「ゼロカロリーコーラ」としてリニューアルされていた。ターゲットはカロリーの気になる女性。ラベルは銀。でもってコカコーラゼロは同じアスパルテームを使っているけど炭酸がきつく、男性向けでラベルは黒。これってノンカロリーコーラ市場を食い合って終りじゃないだろうか??レクサスがクラウンを食っている(想像)ように!
この2つの製品が同時に市場に投入された背景にはコカコーラ社の「CBL」(コンシューマー・ビバレッジ・ランドスケープ」と呼ばれるセグメンテーション手法がある。普通飲料でターゲットを設定するときは、年代、性別、といった人口統計学的な切り口でセグメンテーションするが、彼らは飲料を飲むときの動機や欲求といった心理学的属性の切り口でターゲティングを行う。前ににTVで見たときは、コカコーラゼロは「上昇志向の強い、仕事に熱心な男性」がターゲットだと言っていた。なので英国で実績があるようにこの2つのコーラは両立する(カニバリしない)と。
で発売から3ヶ月くらいたったのですが、どうでしょうか?普段から気にして自動販売機を見ているけど、前は銀と黒と両方見られたのがめっきり黒しか置いていないように見えるのは気のせいだろうか?そもそも「カロリーを気にするけどコーラが飲みたい女性」がどれだけいるのか疑問だけど・・・
自動販売機といえば、日本のコカコーラの強みは自動販売機を押さえていること。これはペプシがサントリーと提携しようがシェアがひっくり返らなかった要因かもしれない。ただ近年はコンビニでの販売量が増えていて、今年は自動販売機以外のルートの販売量が半分を超えたとのこと。これはコカコーラには死活問題だろう。自動販売機は定価販売だし利益率高いからね。今後も自動販売機の赤・黒・銀コーラの比率に注目してみよう。
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